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無料の給食とアメリカの学校
食べ物についてのエピソードには、古今東西話題がつきません。今回は給食です。どの国にも貧しい家庭があり、子どもがいます。そうした子どもを目の前にすると、一見豊かな生活をする日本の子どものことを考えます。
アメリカはミネソタ州の学校へ行ったときのことです。最大の都市であるミネアポリスの町中にある学校を訪ねました。いわゆるダウンタウンの学校には、普通の学校とは雰囲気が違います。多様な子どもが通ってくるのです。黒人も白人もアジア人も、それはありとあらゆる人種がいます。中になんとなく目がうつろな子どもが目立つことです。家庭が貧しいからなのでしょう。服装も清潔感が伝わりません。髪も櫛が入っていません。
学校へ行きますと子どもはまず給食の朝食から生活が始まります。家では朝ご飯を食べてこないのです。食べさせてもらえないのでしょう。「腹が空いてはイクサができない」のです。私と同行した教師も別室でその朝ご飯を食べました。ケチャップが山のように積まれていて、ホットドックにそれをたっぷりかけます。とても食欲が湧くような食事ではありません。
子どもは、無料の昼食も学校で配給されます。この2食でその日に必要な栄養がとれるのでしょう。実は私の3人の子どももアメリカの学校で無料の給食を受けました。ウイスコンシン州のマジソンにいたときです。私が無職で無収入の大学院生だったからです。私はアルバイトで懸命に家族を支えていました。税金も払いません。定職がないことを申告すると教育委員会から無料の昼食券が送られてきます。どんな国籍の子どもでももらえるのです。髪が黒くも白くてもいいのです。この昼食券を手にしながら、「この国は、なんとおおらかなのか」と思ったものです。
長男が5年生になったとき、「自分でランチを買いたい」と言い始めました。アメリカの学校の昼食は、食堂に子どもが集まってきて皆で食べます。自分の好きなものをトレイにとります。このランチは1ドルくらいです。長男も給食券では、もしや片身が狭く感じるような年齢に達したようです。他の友達のように、自分のお金でランチを買いたくなったのです。ランチのメニューは数は多くはありませんが、栄養がたっぷりです。子どもは持っているお金と相談して好きなものを選べるようになっています。
ミネアポリスもマジソンも大きな町です。この2つの町の学校での給食風景は、アメリカという国が国境を越えてやってくるすべての子どもを平等に扱うという、一種の博愛に満ちたところであることを感じさせてくれる機会となりました。
投稿日2006年07月18日 09:57




