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都会から田舎を考える

久しぶりで丸の内界隈を歩いてみました。かっての丸ビルは高層ビルに変わり、そのあたりはブランドショップが建ち並んでいます。「ここはニューヨークかパリか、、、 」という気分になります。時は経ちます。でも東京にはのんびりした光景がそこかしこにあります。私の好きなところは下町です。
落語の話にでてくるような、長屋が連なり、狭い路地が続くところです。江戸の華といわれた火事が頻繁に起こったところのような風情です。家の前は水がうたれ、盆栽や花の鉢が路上に並ぶところです。お年寄りはかがんで鉢の手入れをしています。 金木犀の香りが漂うこうした狭い路地は日本の都会にはそこかしこに残っていますね。
アメリカの都市の中にはこうした風景はありません。花が見られるのは建物のベランダや窓につるされた鉢だけです。ダウンタウンにあるアパートは寂れてもの悲しい雰囲気です。ですが、一歩郊外にでるとそこはもう田舎です。一度アイオワ州の一面トウモロコシ畑が続く道を行ったときです。運転しながら360度が見渡せる平原です。
「 人口150人」というプレートが路肩にポツンと立っています。街に入りますと、誰も見かけません。皆眠りこけているようです。夏の盛りは路上に人を見かけるのは希です。なにせ暑いのです。西部劇にでてくるような静けさです。
「ベローナ」とか「リトル・ノールウエイ」、「ニュー・グレアス」というように、かってヨーロッパからの移民が住み着いた町名がそこかしこにあります。上記の最初の町はイタリア、次はノールウエイ、そしてオーストリアからきた人がつけた名前です。今でも田舎では母国語で礼拝をしているところも珍しくありません。尖塔の建物はノー
ルウエイ系の教会です。
母国の独立記念日を祝う町もあります。町は国旗で飾られます。民族衣装をつけたウエイトレスが田舎料理を振る舞ってくれます。ソーセージや キャベツの酢のもの、確かサワークラウトでしたか、、それにポテトが主です。ビー ルを片手にしていただくのは堪えられませんね。
アメリカの田舎はこうしたヨーロッパの風情が感じられます。都会ではそれがほとんどありません。ですから、旅をするのは田舎がお勧めです。一度、ネブラスカという中西部に仕事で行ったときです。その旅には家内が同行していました。
デトロイト空 港の入国審査官から家内は「どうして来たのか、」「どこへ行くのか」と尋ねられました。家内は「観光」と答えたので審査官は、苦笑したそうです。「ネブラスカのくんだりまで観光でやって来る可笑しな日本人もいるものだなあー」とでも思ったのでしょう。
この審査官はデトロイトという大都会に住むのでしょうから、田舎を知らないのかもしれません。こうした人に会ったときは、「アメリカの田舎は実に平和で癒される」とでも言って、田舎を褒めてやるのです。アメリカ人の多くは他の州や海外に行ったことのない人が大半なのです。我々日本人がアメリカの田舎のことを話してやると真剣に聴いてくれるのはそのせいです。
ニューヨークやボストンやシアトルだけがアメリ カではない、ということを教えてやることが大事です。大都会のホテルに泊まってい ては、アメリカの素顔を知ることはできません。むしろ暇を見つけて田舎も回って、 その町に必ずある小さな博物館か図書館に立ち寄り、町がどうして形成されたのかを知ると面白いのです。旅の思い出が残るものです。アメリカの情緒は日本と同様に田舎にあります。
投稿日2007年05月07日 12:43




