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前回、北欧の都市の広場は、聖なるものと俗なるものが交わるところと述べました。とりわけ、中世に勃興した自治都市と広場の関係は、興味深いものがあります。エストニアの首都タリンの街は城壁で囲まれて発展しました。その中に広場があります。エストニアは小国の故に、第二次大戦前後は大国に翻弄された歴史があります。ソ連崩壊後の1991年に独立を宣言しました。タリンの街には古い教会が建ち並び、タウンホールといういわば役場が広場の一角にあります。広場は街の中心にあり、恐らくいろいろな集会が開かれたようです。さらに街には、商工組合の原点とされるギルトのあった建物があり、政治とは切り離された独自の商行為をしていたことがうかがわれます。その建物は今は歴史博物館となっています。ここで広場が、文化の形成にどのような役割を果たしたかを考えます。通信技術が発達しなかった昔は人と人が出会うことが必要でした。人との出会いの場、それが広場となりました。人と「もの」と「情報」が混じり合うのが広場です。「もの」とは、商品などを指します。ついで「情報」ですが、これは文化ということになりましょう。
大分前の話ですが、北欧を旅したことがあります。国の代名詞「スオミ」と呼ばれるフィンランドと先日天皇陛下が訪問したバルト3国の一つ、エストニアです。時は7月で、白夜というものを始めた経験した懐かしい旅です。なにせ、午前0時になっても外は明るいのですから面くらいました。東洋からの若くて元気の良いギャルの群はこうした国には見かけません。地図やガイドブックを手にする家族連れが見かけます。多分田舎から汽車でやってきたかと思われる家族連れなどに出会います。身なりが質素なのと、なんとなく酪農や畑仕事をしているような風情が感じられる人々です。ここはこうしたお上りさんやまわりの国からの新参者が行き交います。通りに面したカフェやレストランは、競うように色鮮やかなパラソルをひろげ、テーブルや椅子を並べて客を迎えています。待ちに待ったつかの間の夏、夏の盛りです。街のあちこちに広場があります。大道芸人のアクロバットや道化師のパントマイム、弦楽三重奏をかなでる音楽家、そうした芸術を演出する通りがかりの人々、そして白夜という舞台が用意されているのはなんとも贅沢です。
外国へ旅をしてまず考えることは、交通手段です。レンタカーは異国の地で運転に慣れている人には便利です。そうでない人は、電車やタクシーなどが必要です。先日ワシントンDCに行ったときは、地下鉄(メトロ)を大いに利用しました。郊外に住む人々は、通勤にまず車で近くの駅へ行きます。そこにある無料の駐車場からメトロに乗り換えるというわけです。通勤時間中に車でワシントンの中心に入るには、条件があります。まず必ず2人以上が乗っていることです。通勤する人は近くの住人や友人を誘って、交互に車を運転します。通勤時間帯が揃っていると、人の車に乗って職場に行けます。このよう知恵を「カープール(car-pool)」と呼びます。