ジャンル:こぼれ話
映画が大好き
最近、古くて懐かしい映画を観ます。黒澤明、市川崑、成瀬巳喜男、稲垣浩、少し時 代がくだって吉田喜重、伊丹十三。アメリではジョン・スタージェス、ジョン・フォー ド、エリア・カザン、オリヴァー・ストーン、イタリアではビットリオ・デシーカ、 ミケランジェロ・アントニオーニ、さらにフランスはルネ・クレマン。こうした監督 作品を鑑賞していると、若き良き時代を想い出します。映画館に足しげく通ったものです。それも受験期で多感な頃です。そういえば、亡き父も映画が大好きでした。二 人で酒を飲みながら、映画談義をしたものです。
最近の映画でも良いのが沢山あります。社会派と呼ばれる作品です。社会派といえば その代表的な話題は、生と死、正義と悪、愛と憎、罪と罰、戦争と平和、です。私は どうしてもアメリカ映画を観る機会が多いので、西部劇やスペクタクル作品が多かっ たアメリカの映画のなかに、こうした社会派の作品も数多くあることを知って貰いた いう気持ちが強いのです。意外と思われるかもしれませんが、こうした真剣な作品が 珠玉のごとく作られています。アメリカには人種の差別が酷かった歴史があります。こうしたいわば負の財産を抱え る国です。それだけに今でも過去の経験を生かすために、後生に歴史を繰り返させな いために、いろいろな手段を用いて教訓を根付かせようとしています。その一つが映画というメディアを用いることです。少し前の作品ですが「グリーンマイル」があります。ジョージアの刑務所が舞台で、黒人を少女殺人の犯人に仕立てるストーリーでした。大分遡りますが「夜の大捜査線」がありました。シシッピの片田舎の警察署で白人警察官から露骨な人種差別を受けながら、冷静に事件の真相を追った黒人警部の物語です。ベトナム戦争はアメリカに大きな傷跡を残しました。戦いの愚かしさや狂気性を描い た「プラトーン」、「7月4日に生まれて」「ランボー」など心の傷を負ったベトナム帰還兵が市民から冷たく扱われ、戦場の地獄をアメリカの田舎町で再現したものなどです。戦争から深い心の傷を背負った帰還兵をよそ者として待遇する差別がそこに見 られます。もはや彼らは英雄ではなく、蔑まれる存在として扱われます。その不条理を訴えるのがテーマです。私たちは過去に立ち戻ってリアルな経験をすることができません。しかし、映画はそれを代行してくれます。映画には、脚本家、監督、俳優らの主張があります。そして私たち観客がいて映画を作品として引き立てています。
投稿日2008年05月22日 13:20




