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記事掲載者:成田 滋先生

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ジャンル:こぼれ話  

老化と成熟の違い

25278.jpg すべての人に老化とか成熟がやってきます。高齢化ですね。老化には、発達とか成長について、気をつけなければならない特徴が見られるようになります。今回は、自戒と反省を込めながら老化と成熟の違いを取りあげることにします。

 老化と成熟は違うようですが、紙一重のようなところがあります。それは、身体の衰えが理性とか心の成長である成熟に対してマイナスの影響を与えるからです。老化という現象は次のような目に見える行為に現れます。

 ・人に非難を向ける。
 ・他人のせいにする。
 ・自分を正当化する。
 ・自分で責任を負おうとしなくなる。
 ・思い込みが激しくなる。
 ・異なる考え方ができなくなる。
 ・人の前であてこすりをする。
 ・他人の感情が理解できなくなる。
 ・自分の欠点や足りなさを自分で笑うことができない。
 ・誤った信念に固執しがちになる。
 ・怒りっぽくなる。
 ・ユーモアやジョークが理解できない。
 ・趣味が無くなる。
 ・所有欲が強くなる。

 老化が進行するにつれ、身辺の整理が雑になったり、口臭や体臭に無頓着になると言われます。ですが最も悲しい現象の一つは、ものごとを順を追って考えることが困難になりがちになることです。普通、私たちは具体的な事物・状況が目の前になくても内的イメージを用いて自由に論理的な思考を行うことができます。リンゴを10個一列に並べても、あるいは集めても10個あることを理解できるのです。こうした発達は6歳くらいで確立します。これは事物の実際の状態・特徴を保存して理解する能力、つまり保存の概念ができ上がるのです。

 「自分以外の他者の視点よって多面的に対象・問題について思考することが可能になる」と言ったのは発達心理学者のピアジェでした。しかし、老化は、自分の視点から物事を考えがちにさせるという宿命のようなものがあります。年を重ねるとき、私たちは自分の物の見方に偏りがないか、という自省と省察の態度を持つことです。それが成熟を促進し老化を食い止める一つの方法です。

 成熟ということを振り返るとき、参考になるのに心(Mind)の理論というのがあります。人の発達は、心の動きを理解する能力を備えることが大事だ、という考えにたちます。他人の立場に依って考えたり行動する、他人の意図や指向や予想などの心の動きを理解していくことが成長だ、という考えです。WimmerとPernerという人は、直接外側からは見えない他人の心理を理解しているかどうかを示す手段として「誤信念」の課題を使います。3歳から5歳になると、人の考えが現実と異なる場合があること、つまり誤信念を理解し、それに基づいて人が行動することを推測できるようことを示しました。この推測が困難になると、老化というのは第2の小児期に戻るようなものともいえます。

 私に戻るのですが、老化か成熟の両方が進みつつあります。短期の記憶も衰えつつあります。ですが、成熟と老化の違いを意識化できる存在でありたいと願いながら、老化と格闘しております。

投稿日2009年03月23日 13:22


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