蒜山・大山のコミ情報 蒜山大山ウォーカー

記事掲載者:成田 滋先生

プロフィールへ 海外出張の際に感じた海外情報や、その他レジャーの楽しみ方など徒然なるままにご紹介します。
My Yahoo!に追加 Atomの追加 RSSの追加
探す




最近の記事

 

蒜山・大山ライターズブログ

成田教授の
    ワールドレジャーニュース


ファミリーのための
    アウトドアガイド

由井君のとっておき話
美和ちゃんの米子・松江情報
蒜山・大山新発見伝
昌代の口コミガイド
図書カードプレゼント
モバイル版はこちらから
蒜山三座ライブカメラ
お得なクーポン
« 緑の日にちなんで | ブログのトップ | 通信制の高校の運営 »

ジャンル:こぼれ話  

教師と噺家の仕事から考える

41133.jpg

教師と噺家(落語家)にはなんのつながりもないようですが、職業として興味ある類似点や相違点があります。この話題を取りあげるのは、教師という職業の特殊性と変容を噺家とう職を通して考えたいからです。


 教師と噺家は、どちらも演出家であり演技者でもあります。なにをどのように演ずるかはこの両者の思いと発想に依存しています。誰も「ああしなさい」「こうしなさい」といってくれません。教師は黒板とチョークを持って特定の子どもの前に立ちます。噺家は、扇子とタオルを持っていろいろな人物を演じます。不特定多数の観客を前にして演技し笑わせようと努力します。いずれも舞台装置や大道具などを必要としません。これも似ているところです。

 どちらも観客が目の前にいます。教室では教師と子どもは互いに知り尽くしています。他方、ごひいきやファンは別として、観客と噺家はお互いを知りません。教師は指導が上手であろうと下手であろうと、子どもという観客はいなくなることはありません。大変なのは子どもも保護者も観客を辞めることができないことです。

 噺家はせりふと喋りとで笑わせないと客はきません。面白くない寄席には誰も金を払ってきません。噺家には、厳しい身分制度があります。前座、二つ目では、その修業は大変です。定席での仕事は非常に限られます。どちらも低収入で修行するのです。観客を前にして自分の努力で話術を高めます。師匠がいても、手取り足とり教えてくれる世界ではありません。50歳位から芸の力が発揮されるというのですから、気の長い職業です。まさに自己処理完結型の職業です。

 教師は、採用されるとすぐ一人前の待遇を受けます。男女平等の給与、福利厚生など恵まれています。ですが、担任として子どもの指導や教科の授業をまかされるという厳しい状況が待っています。教壇に立ちながら、自分で修行していくつらさがあります。ベテラン教師の授業を盗み見る時間は、残念ながらあまりないのです。「教室王国」などと揶揄されてきた教師は、噺家同様になんでも一人でできてきたのです。

 次に職業としての評定です。教師は一度採用されると終身雇用の恩典に預かることになります。よほどの失態をしない限り減給や解雇はありません。黙っていても昇給していきます。教職員組合というとセーフティネットもあります。噺家はお客さんの評判で高座に呼ばれます。さらに真打ちへの昇進試験があります。笑いの量と売り上げがものをいう世界です。

 これまでの教育は、個々の教師の力量に依存すること多かったのですが、特別支援教育はそういうわけにはいきません。障害児の指導には、いろいろな専門性を要求されるのです。これまでのように、一人の教師の力でこなしていくステレオタイプのイメージは無くっています。もはや自己処理完結型の仕事ではなくなりました。その端的な変容をもたらしたことに保護者の存在と役割があります。

 保護者がつくる様々な組織や団体が、学校や教師の役割を変えています。改革は外側からやってきています。自己完結や自己保身は困難になっています。保護者は、理論的にも実践的にも、かってのような学校への依存という体質を脱却しています。その一つの現象は、家庭で子どもを教育する形態であるホームスクールです。学校へは無理強いしてまで行かなければならないとか、行けるとか行けないで詮索せず、家庭で本人の能力を伸ばしていくほうが大切だ、と考える保護者もいるのです。

 だからといって、学校や教師の存在が薄くなるということではありません。こうした保護者と子どもには「学校へきなさい」という姿勢から、「みなで支えていこう」という態度によって、学校は地域の結節点であるという考えが必要なのです。「協働」とか「共生」が今、実践することが重要になっています。教師が一人で物事を解決しようとするのは、過去の遺物なのです。チームとしての補い合いや支え合いがよりよい教育というサービスを提供できるのです

投稿日2009年05月18日 16:42


この記事へのコメント



この記事へのトラックバック: