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日本人は温泉好きだそうです。別に日本人でなくても、外国にも温泉はたくさんあるし、それなりに賑わっているらしいので、人類はみな温泉が好きなのです。まあ誰だって暖かいお風呂に入ってさっぱりすれば気持ちいいし、サルだって温泉に入ってくつろいでいるのをテレビとかでよく見かけますね。日本は火山の国ですので地震も多いけど、そのかわり温泉も多いということで、全国各地に温泉地がありますが、この湯原温泉はその中でも有名な温泉のひとつでしょう。温泉地へ行けばいわゆるホテルや旅館の「内湯」に入るのが一般的ですが、その他にみんなが入れる有名な「外湯」があるところもあります。例えば愛媛の道後温泉の「道後温泉本館」などがそれですが、湯原には天然の露天風呂「砂湯」があります砂湯は全国露天風呂番付けで「西の横綱」という最高位にランクされている、大きなダムのえん堤の下に湧く天然の露天風呂です。湧き出る湯の熱さによって「長寿の湯」「子宝の湯」「美人の湯」の3つの湯舟に分かれており、好みに応じて入れるので、熱いのが好きな人もぬるいのが好きな人も快適に入浴できます。私はぬるい方から順に入っていきます。こうすると湯の熱さにだんだん体が慣れていくので「う~」とうなることなく、熱い湯に入れます。ここは年中・24時間、誰でも無料で自由に入ることができ(嬉しいことに!?)なんと、混浴です。
自転車に乗って風を切って走れば気分爽快ですね。ましてやそこが爽やかな風の吹きぬける高原の一本道とくれば、たいていの人なら幸せいっぱいを感じるでしょう。蒜山高原は年間200万人を超える観光客が訪れる大観光地です。青い空に白い雲。その下に並ぶ雄大な山々に広大な高原。私はかねてからここに、サイクリング道路があったらいいのになあと思っていました。そうしたらできたのです「蒜山高原自転車道」が現代は「エコツーリズム」に代表されるように、人間が自然の中に入って行き、自然を学び、大切にしながらそれを楽しむという観光スタイルが注目されています。自分の足で自転車をこいで、大自然の中を走って楽しむというサイクリングは、正にこの傾向にマッチしており、「古くて新しいレジャー」なのです。体を動かすので健康にもいいですし、ガソリンを使わないので空気もよごしません。みなさんもサイクリングを是非、見直していただきたいと思います。私は3年ほど前にマウンテンバイクを買って、よくサイクリングを楽しんでいます。もちろんこの自転車道も時々走っていますが、地元の私でもこの道を走ると「あー、蒜山はいいところだなあ」と、しみじみ思います。春は残雪の蒜山三座を眺めながら。夏は涼しい高原の風に吹かれながら。秋は風にそよぐススキの波に囲まれて。と、四季それぞれの風景の中を風を切って走るのは本当、最高です。ただ、冬雪が降ると、自転車道はお休みするしかありませんが。
田舎における観光の三大要素は「自然・温泉・土地の味」だと私は思います。最近はこれに「体験」を加えたいと思っているのですが、この4つはそれぞれ観光の目玉になりうるもので、どこの田舎の観光地もこの中のどれかを売り物にしています。そしてそれらに更に磨きをかけて、他に差をつけようと頑張っているのが現状でしょう。蒜山をみてみますと、この3つの要素のうち「自然」は文句なしでしょう。そして「土地の味」。といっても、地面を舐めてみるわけではありません。その土地の特産物ということですが、蒜山には大根、ジャージー乳製品、そば、ワインなどがあり、大スターはいませんが、そこそこ充実しています。こうなると3冠王といきたくなるのですが、残念ながら蒜山には元来温泉がありませんでした。地元の「老人センター」に、昔から土地の人だけが入っていた小さな風呂状のものはありましたが、観光客が入れる本格的な温泉はなかったのです。そこで「ないなら、掘ってやろう!」ということで、数年前に完成したのがこの「快湯館」です。ということですので、この温泉はどこかのように「傷ついた鶴が教えた」とか、「偉いお坊さんが石をどかしたらそこから湧き出した」とかいうような、まことしやかな伝説などはありません。できれば蒜山だから「大きな大根を抜いたらそこから温泉があふれだした…」なんて、伝説の一つもほしいところですが今からそんな話を付けるわけにもいかないでしょうしね。現在は真庭市関連の第3セクターによって運営されています。なにはともあれ、これにより蒜山は「田舎の観光3大アイテム」をそろえることに成功したのです。
昔からこのあたりには「高瀬舟羊羹」という名物があります。長さ5センチ位の紙で作った高瀬舟を見立てた容器の中に羊羹が入っている物で、中身はただの羊羹なのですが、結構人気があります。私の知人は東京の甘党の友人に頼まれて、定期的に送り届けて大変喜ばれているとのことです。小さな舟に入っているため、見た目がかわいいだけでなく、切らなくてもいいので食べやすくて助かります。羊羹て、切ると包丁にくっつくし、手に付くとべた付きますもんね。
城下町勝山は「うしろ姿も美しい町」です。家にも表と裏があり、それが連なってできあがってる「町並み」にも当然表の顔と裏の顔があります。勝山の「町並み保存地区」は白壁や連子格子の家々が軒を連ねた表の顔が魅力的なことはもちろんですが、その反対側、すなわち裏側から見た町並みもまたなかなか風情があるのです。岡山の三大河川のひとつである旭川を挟んで対岸を走っている国道313号線から、この「町並み保存地区」のうしろ姿が良く見えますので眺めていただきますと、勝山がうしろ姿の美しい町であることが良くわかっていただけると思います。伝統あるすばらしい建物群は前から見ても後ろから見ても美しいのです。そして、その時に川沿いに並ぶ古い家々の石垣と川の境のあたりをよーく見てみて下さい。石垣を斜めに走る石段や、石積みで囲まれた広場のような構造物が点在しているのがわかると思います。それが「高瀬舟」の船着き場です。
「辻本店」の道をはさんで反対側に同店が経営するレストラン「西蔵」があります。(左の写真)その名のとおり、酒造りの蔵を改造したレストランで、ここでは蔵元ならではのおいしい日本酒を飲みながら、本格料理が食べられます。お値段は少々高めですが、喫茶もやってますのでよろしかったらお気軽にどうぞ。実は私はこの地区に昔ちょっとだけ住んでいたことがあります。もう30年も前の話になりますが、ここの町並みはその頃とほとんど変わっていません。移り変わりの激しい今の世の中でこれは大変に素晴らしいことであるとともに珍しいことでもあるでしょう。地元の人々が町並みの保存に尽力されていることはもちろんですが、私が考えるには「開発しにくかった」という事情もあったのではないかと思っています。
白壁の土蔵や連子格子が並ぶ町家は本当に落ち着くたたずまいで、貴重な日本の風景です。近年はこれに草木染の「のれん」が加わり、一層情緒を高めています。こののれんは地元の染色作家の手によるもので、それぞれの店の商売に関するデザインがほどこされており、それを見て歩くのも楽しみの一つになっています。食べ物屋、みやげ物や、菓子店など、連なる古い商家の通りを歩いていくとひときわ目を引く重厚な造りの蔵が現われます。創業200年を誇る「御前酒」の蔵元・「辻本店」です。「御前酒」の名の由来は御前(殿様の前)に出される酒という意味で、殿様が愛飲していた酒ということです。 (写真は辻本店中より撮影したもの)
勝山は2万3千石の城下町です。城下町というものはどことなく品があります。やはり殿様の「お膝元」として産業の振興が図られるため繁栄します。それにお膝元とあれば、あんまり街も汚くしておくわけにいきませんから、整備されてきれいになります。その姿が現在まで残っているのが勝山の「町並み保存地区」です。ここは昭和60年、県下で最初に町並み保存地区に指定されており、それだけ価値の高い町並みと言うことができるでしょう。
渡辺邸があるのは「旦(だん)」という地区で、江戸時代にはこのあたりには100以上もの武家屋敷が並んでいたそうです。今も細い路地に沿って家々が軒を連ねており、その景観に当時の面影が少しだけ偲ばれます。「殺生石」で有名な化生寺もこの地区内にあります。この旦地区は街並み保存地区より一段高い所に位置しており、町人より武士が高い所に居を構えていたことがわかります。やっぱり昔も今も人間、人より高い所に住んだほうが気持ちがいいですものね。今でも高級住宅街は大体山沿いを上へ上へと広がっていますし、マンションも上層階の方が値が張ります。
「武家屋敷」。なんて厳かな響きでしょう。そう聞いただけで思わずその塀に囲まれた静かな邸内で送られていた格式と礼節を重んじた生活の日々が頭に浮かんできます。この渡辺邸は、はっきり言って派手なつくりでもありませんし、そう大きな建物でもありません。しかしその簡素で上品な造りがかえって「質実剛健」とでも言うべく武士道の精神を伝えています。よくある大商人の旧家のように太い柱や梁がめぐらされていたり、欄間に派手な透かし彫りがほどこされていたりして「どうだ。金ならあるゾ」といった風でなく、あくまでも『物よりも心』という点にこだわった、武家の高い精神性が伝わってきます。