ジャンル:こぼれ話
「地物」と「転送物」・「せり」と「相対(あいたい)」Vol,1

野菜や果物が取り扱いされているのは「青果市場」です。
青果市場にはさまざまな野菜や果物がありますが、それらは大きく分けて2つに分類されます。それは「地物」と「転送物(てんそうもの)」です。
地物というのは、地元で生産された物、すなわち市場の近郊から直接農家が市場へ持ち込んだ作物や、当該地区の農協等が市場へ出荷した物を指します。今流行の「地産地消」の対象とされるのがこれらの地物の野菜や果物です。
それに対して転送物は、県外等の離れた産地から運ばれてくるものをいいます。例えば長野産のキャベツやレタス、徳島のニンジン、高知のピーマンやナスなど、いわゆる「産地」といわれる所から入荷する作物です。
フィリピンのバナナやアメリカのオレンジなどの輸入品も一種の転送物です。また転送物は市場や会社を回ってくるので「まわりもの」とも言われます。今の世の中交通網が発達していますので、全国・全世界から様々な野菜や果物たちが「転送物」として入荷してきます。
私が今までに見た珍しいところでは、アメリカのりんごやオーストラリアの柿、タイのアスパラ、韓国のみかんなどがあります。日持ちのする玉ねぎなどは中国産やアメリカ産も入ってきていますので、店頭ではあまり見かけなくてもレストランや惣菜などには結構使われているのではないかと思います。
「りんごは何にも言わないけれど…」という歌が昔ありましたが、りんごに限らず果物や野菜が喋ったという話は聞いたことがありません。でもこれがもしも喋ったら、外国語や方言が交じり合って市場や店頭はものすごくにぎやかだと思います。市場の隅っこで古くなってしわがよったオレンジなんか結構リュウチョウな日本語を喋ったりして。
隣の熊本みかんに「日本語がうまかねー」などとほめられたら「ハイ、ニッポンナガイデスカラ・・・」なんてね。また、松茸にしても喋らないから助かっている料亭なんかも多いと思いますよ…
さてこのように、扱っている商品が2つに大別される青果市場ですが、その売り方も大きく2つに分かれます。それは「せり売り」と「相対(あいたい)」です。
せり売りというのは皆さんもテレビなどで視た事があるでしょうが、せり人(だいたいがアンちゃん)が威勢のいい声を張り上げて、値段をつり上げていく売り方です。主に地物を売るときに行なわれます。
せり売りに関する詳細はちゃんと法律で定められていて、声を張り上げているせり人は試験に合格して資格を持った者でないとなれません(みんなそんな人にはみえませんが…)。せり人は「せり落とすタイミング」が大切で、値をつり上げていく時間が長すぎても短すぎてもダメです。
これが長かったり短かったりすると、仲買人との間でモメたりします。仲買人は安く買いたいので、あまりせり上げずに早く落としてもらいたいし、せり人は逆に高く売りたいため、せりを引っ張るのです。それは売り上げの一部が市場のもうけになるためですし、またもちろん高いほうが農家のためにもなるからです。このへんの両者の駆け引きは見ていると面白いですよ。他人がやってる時には…
また先述しましたように、市場でのせり売りは法律で定められたものなのでそこにはさまざまな決まりがあります。その中の一つに「農家により市場に出されたものは必ず売らなければならない」というようなものがあり、この決まりによって困ったことになることがあるのです…この続きはまた今度。 (次回へ続く)
投稿日2007年04月03日 11:37




