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春の小川でセリを摘みましょう

今回のひるぜんの春の山菜は「セリ」です。
「せり・なずな・すずな・すずしろ・・・」と、歌われていますように、セリは古来より春の七草の筆頭にあげられており、葉物の春の山菜としては代表的なものですね。
冷たく、きれいな雪解け水で育つひるぜんのセリは、身が締まっていて歯ごたえの良いのが身上です。その分、暖かい地方に比べ伸びるのが遅く、まだやっと芽が伸びてきたというところですが、水がぬるんでくるにつれ、鮮やかな緑が水辺をおおってきます。
ひるぜんのセリには大きく分けて2種類あります。1つは「田ゼリ」と呼ばれるもので、丈が短く、葉っぱが緑ばかりではなく、茶色っぽいものもあるのが特徴です。茎が太くてしっかりしているので、食べると歯ごたえがあります。またセリ独特の香りも強く、多少泥臭い感じもありますが、セリの風味を楽しむという点では満足のできる味です。
味噌汁の具や天ぷらにも向きますが、白和えやおひたしにしたものが私は好きです。我が家の近くに昔、この田ゼリがたくさん採れるところがあり、母が山ほど摘んできては、ひたしにして食べていました。大きな鍋に、ゆで汁がアクで黒くなるほどドッサリのセリをゆでて、それに削りかつをとしょうゆをかけて食べるのです。
ひるぜんではたくさん食べることを「おがおが食う」と言いますが、まさにセリをおがおが食っていました。風味や季節感を楽しむというようなものではありません。我が家ではセリはおかずであり、食糧であったのです。
もうひとつの種類は「水ゼリ」といわれるものです。こちらは田ゼリに比べるとスラッと背が高く、茎も細長くて、きれいな緑色をしています。スーパーなどの店で販売されている栽培物のセリと同じような種類のものだと思います。水ゼリはアクも少なく、クセもないのでどんな料理にも使えますが、セリ本来の風味という点では田ゼリには劣ります。
田ゼリがその名のとおり、ちょっぴり泥臭い田舎娘とするならば、水ゼリのほうは都会に出ても気後れしないおしゃれなお嬢さんというところでしょうか。どちらにもそれぞれに良いところがあって、私はどちらもタイプなのですが…
あと、セリといえばひるぜんで「ウダゼリ」と呼ばれているものがあります。これは正しくは「梅花藻」(バイカモ)というもので、セリの仲間ではないのですが、名にありますように梅に似た花を水中で咲かせるちょっと変わった藻です。きれいな水の中にしか繁殖しないということですが、水中で揺れ動く緑の長い藻の姿は、正直言って食べてみようと思えるものではありません。
しかし! さっと茹でて食べるとこれがシャキシャキと歯ごたえがあってうまいのです。淡白で味自体はあまりないのですが、酢の物やマヨネーズ和えにすると、上質のモズクのようで最高です。でも、このウダゼリは、ひるぜんでもあまり多くは見かけられないものですので、採るのは控えていただきたいと思います。夏には梅に似たかわいい白い花をいっぱいつけますので、それを見て楽しむだけにして下さいね。
ちなみに、このウダゼリという名の由来はといえば、昔、こちらの方面へ行幸された「宇多(うだ)天皇」が、水中にゆらめくこの緑藻に目を留め食されたところ、あまりにもおいしくてお気に召されたというところから「ウダゼリ」というようになったということです。なんだか、うそのようなホントのようなことがウダウダと語り継がれているもんですねえ・・・
最後に大切なことをひとつ。セリを採る時には、引っ張って根こそぎ抜き取ってはいけません。根は残したまま、茎と葉のところだけ刃物などで刈り取るようにして下さい。そうするとまた芽が出てきますので、セリが絶えることがありません。セリは抜くのではなく摘むのがマナーですよ。
投稿日2008年03月28日 08:08




