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記事掲載者:由井 堅史さん

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かわいいムコには、わらびを食べさせろ?

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突然ですが、ひるぜんの中学校(その名も蒜山中学校)には、「わらび採り遠足」の日というものがあります。その日は全校でひるぜんの野原に出かけていってわらびを採り、それを売って学校の備品を買ったり、一部は給食で食べたりします。


当日はツッパッている男の子なんかも「なんでわらび採りなんだよー。ウゼーな~」などと言いながらも、目の前にわらびを見つけると、ちょっぴり嬉しくなって採っちゃいます。おまけに採ったわらびの量を、班ごとに競うようになっていますので、自分の班が負けそうだったりすると「しょーがねーなー」などと言って、本気でわらびを採ったりするのです。 ひるぜんの子供はいい子でしょ。


このようにひるぜんでは、わらび採りが学校行事の一つになっているほどわらびが豊富で、昔から身近な山菜として親しまれてきました。ということで、今回とりあげる山菜は「わらび」です。

ひるぜんのわらびがどうのこうのと言う前に、わらびは日本の春を代表する山菜ですね。誰でも手軽に行けるような野原や道端にも生えていますし、一目でわかる姿かたちですので、小さな子供や山菜の知識が全くない人でもわらび採りは楽しめます。

またアク抜きが少々面倒ですが、食べてもとてもおいしい山菜ですのでとても人気があります。山菜の料理を注文したときなどにも、わらびが入っていないことなど考えられないことで、春の山菜の中でも圧倒的な存在感を誇っています。

そんなどこにでもあるわらびですが、特にひるぜんでは質の良いわらびがたくさん採れます。わらびは日当りの良い野原や斜面によく生えますが、茅(カヤ・ススキ)の野原が広がる蒜山高原は、正に最適の環境と言えます。枯れた茅の中を歩き回っているとわらびがあちこちに顔を出していて、たくさん生えているところにあたると、手提げかごや袋がすぐにいっぱいになります。

軸が太くてすらっと伸びたわらびがやはり上質で、食べてもおいしいですね。わらびはその食感と独特のヌメリがおいしさの決め手ですので、軸が太いということは大切です。細いひょろっとしたわらびはひるぜんでは「線香わらび」といってバカにされます。そんなのしか採れなかった方はご愁傷様です…

わらびを採る時には欲張って、あまり下の方から折ってはいけません。できるだけ長くて大きいのを採りたいという気持ちはわかりますが、下のほうは固くて食べてもおいしくないので、結局は後から折って捨てることになります。ですから始めから食べられるところだけ採った方がかさばりませんからね。

ひるぜんでは昔から春先にはよく、野や山に火を放っていました。害虫の駆除にもなりますし、また焼け跡にはわらびやぜんまいなどがたくさん生えるからです。しかし最近はこうした「野焼き」は原則禁止されているのであまり行なわれていません。焼いた跡にはきれいな草も芽吹いてくるので、環境の整備のためには本当は定期的に火を入れた方がいいのですが、環境問題や安全面を考えれば残念ながら今は難しいようです。

さてわらびの食べ方ですが、まずはアク抜きをしなくてはいけません。木が燃えてできた灰を使うのが一番良いのですが、そんなものは普通の家庭にはないでしょうから通常は重曹(タンサンという名前で売られています)を使います。わらびを容器に並べて入れ、重曹をふりかけ、その上から熱湯をかけます。それに鍋のフタなどを載せてそのまま一晩置き、あとは一日ほど水にさらせばアクが抜けます。

アク抜きが済んだら色々な料理に使えます。わらびはどんな料理にしてもおいしいのですが、我が家の人気ナンバー1は、「油炒め」です。わらびを油で炒めて調味料を少し入れ、それにしょう油とマヨネーズをかけるだけなのですが、これがなんとも言えずうまいのです。わらびの独特の香りとヌメッとした歯ごたえが油としょう油とマヨネーズとマッチして、早い!うまい!安い!?の大人気です!

あと三杯酢やみそ汁もおすすめ。みそ汁は粕汁にすればもっとおいしくなります。わらびはとても「大衆的」な山菜ですので、小料理屋のように小鉢に入れたりしてはいけません。いっぱい採ってオガオガ(たくさん)食べましょう。うちでは油いためなどは山盛り作って、フライパンのままドーン!と出してやると子供達がぺロッとたいらげてしまいます。またわらびはそんな食べ方が似合うのです。

わらびの旬はもちろん春で、一番たくさん採れるのも春の時期です。しかし実際は結構遅くなって出てくるものもあり、少量になりますがお盆頃まで採って食べられます。そのためひるぜんでは昔から「わらびは娘婿(むすめむこ)一人に、食べさせるだけはずっと出る」と言われています。

これは「ムコさんを大切にするぞ」という意味の言い伝えなのでしょうか。それとも「ムコなどは野原に生えたわらびをずっと食べときゃいいんだよ」という、イジメの意味なのでしょうか。おそらくは大切にするよという方の意味なのでしょうが、ムコさんに言わせれば「どうせならもっといい物食わせてちょーだい」と言いたいところでしょうかね。

 写真はうちの近所で撮ったわらびです。ひるぜんではまだまだ早いので、探すのに苦労しました。ちょっぴり見づらいですがお許し下さい。

投稿日2008年04月12日 07:46


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